6段階設定付きパチンコ 釘調整はどうなるのか考察

こんにちは、あんにゅいです。

2018年8月20日、何かと話題の6段階設定付きパチンコ第1弾『Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ』(SANKYO)が導入されますね。過去の3段階設定付きパチンコの例を見ながら、主に釘調整について考察します。

 

スペック

ヴァルヴレイヴの各設定における大当たり確率は下記の通りです(公式サイトより)。

 

設定大当たり確率確変時大当たり確率
11/159.81/50.0
21/154.21/48.2
31/150.71/47.1
41/147.31/46.0
51/140.91/44.0
61/119.21/37.2

 

こうして見てみると、設定6の大当たり確率の高さが際立っていますね。設定6はいわゆるエクストラ設定ということになるのでしょうか。

 

120%ってすごいの?

エクストラ設定と思われる設定6ですが、噂によればこの設定6の機械割は120%ということらしいです。

120%と聞くと反射的にすごいなあと思ってしまいます。

それはパチスロの機械割120%という数字が、ハイスペックとされているからだと思います。パチスロで120%あったら、1日ぶん回せば10万コースみたいなイメージありますよね。

ではパチンコにおける機械割120%はどうなのでしょうか。

ちょっと計算してみましょう。

1分間の打ち出し玉数を100発とします。そして稼働時間は12時間とし、止め打ちはしないものとします。

そうすると1日の打ち出し玉数総合計は下記のようになります。

 

100(発) × 60(分) × 12(時間) = 72000(発)

 

この72000発が120%になるわけですから、純増分(20%)は下記のようになります。

 

72000(発) × 0.2 = 14400(発)

 

1日打ちっぱなしにしたとして、14400発の純増。4円パチンコなら57600円の価値ということになります。

12時間、飲み物も買わず、食事も取らず、トイレにも行かず、長ったらしいリーチがかかり保留が満タンだとしてもひたすら打ちっぱなし。この条件で57600円分の純増です。等価交換ではないのなら、もちろんその価値は57600円より低くなります。

これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれなので別にどちらでもいいと思いますが、私は「思ってたよりも勝てないんだな」という印象を抱きました。

ここでパチスロのバジリスク絆を引き合いに出してみます。

バジリスク絆の設定6を1日打った場合の期待収支は下記の通りということです。

 

設定機械割期待収支勝率
6118.82%+90327円90.56%

 

期待収支は+90327円ですから、ヴァルヴレイヴよりも絆の方が32727円上ということになります。

現実的に6を掴めるのかどうかということは別にして、単純に期待収支だけで比較をした場合、絆の6を追いかける方が夢があると言えそうです。

 

本当に設定だけで出玉調整する?

ここからがこの記事の本題になります。

パチンコにおいて釘を調整することは違法行為とされています。

しかしパチンコにもそれなりの歴史があるのですが、釘調整は違法とされながらも長い間黙認されてきました。

釘師と呼ばれる釘調整の職人が存在することを考えてみても、その黙認っぷりがうかがえるかと思います。

なぜ黙認されてきたのか。それは、パチンコは釘を叩くことでしか出玉を調整できないからだと考えます。

お客に還元したい時は釘を開ける。逆に回収したい時は釘を閉める。

パチスロならば設定の上げ下げで出玉を調整できますが、パチンコはそのようなわけにはいかなかったのです。

しかし近年、釘調整に関する国側の指導が厳しくなってきました。違法行為はあくまで違法行為なので取り締まらなくてはならないということでしょうか。

ですが釘を調整できないとなるとホール側は出玉を調整できないので困ってしまいます。その流れで出てきたのが設定付きパチンコなのでしょう。

 

ホール側
よーし、今日も張り切って釘を叩いて出玉調整するか

国側
ちょっと待って。釘をいじるのは違法行為だよ

ホール側
そんなこと言ったって、釘を叩かなきゃ出玉調整できないんだから、仕方ないじゃないか

国側
じゃあメーカーから設定付きのパチンコが出るようにするよ。だから釘じゃなくて設定で出玉調整してよ

 

こういった流れなのだと思います。

しかしながら、国側の「釘じゃなくて設定で出玉調整してよ」に対して、ホール側が

 

ホール側
分かった、そうするよ

 

と素直に応じるとは限りません。

 

ホール側
やなこった。バレなきゃいいんだから、こっそり釘を叩いちゃうもんね

 

となる可能性もあります。

設定付きパチンコ導入前ということもあり、こればっかりはふたを開けてみなければわかりません。

 

過去の設定付きパチンコ

20数年前にも設定付きパチンコは存在していました。『CR大工の源さん』(SANYO,1996年)などがその代表的な機種ですね。

当時、現役でパチンコで稼いでいた人たちは、この設定付きパチンコが登場する際に大変危惧したと言います。

「設定で出玉調整されてしまうと、釘が均一になるんじゃないか。回る台にありつくことができなくなり、稼げなくなるんじゃないか」という心配です。

現在、現役で稼いでいる人も、似たような不安を抱えているのではないでしょうか。

しかし当時のホールはそんな不安をよそに、結局のところ設定ではなく釘で出玉調整をしてきました。設定機能が付いているのにも関わらず、です。

設定をまめにいじるホールもあったかとは思いますが、基本的には設定3(最低設定)で固定し、釘の開け閉めによって出玉を調整する、というホールが多かったかと思います。

実際に当時のパチンコ情報雑誌も、設定3(最低設定)であることを前提にボーダーラインを算出し掲載していました。

そのような歴史的背景があるので、今回設定付きパチンコが導入されるからと言って、ホールが一切釘をいじらなくなるとは言えないのです。

 

最悪の場合こうなる

この記事を読んでいるパチンコプレイヤーや、書いている私などは、言われるまでもなくわかっていることだと思いますが、昨今のホールの状況は大変厳しいものがあります。

ホールが客側に有利な台を用意するなど、なかなかお目にかかれることではありません。ホール側の懐事情が昔よりも厳しくなったということもあるかと思いますが、パチンコプレイヤーとしてはかなり寂しい状況と言えます。

また、パチンコはある程度の設置数と稼働さえあれば、釘など開けなくても噴く台は自然と出てくるものです。したがってホール側からすれば見せ台としてはその「たまたま噴いた台」があれば十分なのであり、わざわざ甘い調整にする必要は無いという面があります。

甘い調整にする必要が無く、そもそも甘い調整にする体力も無い。しかも名目上は釘調整は禁止されている。

それらを勘案すると、件の6段階設定付きパチンコはどうなるでしょうか。

甘い調整にする必要が無いので設定はオール1、釘調整ができないのでガチガチに閉められた釘で万年放置。そうなる可能性も、0と言うことはできません。

当たりにくい大当たり確率の上に、全然回らないという状況。

そこからは、限りなく最悪に近い響きを感じてしまいます。