こんにちは、あんにゅいです。
CFP試験は全6課目で構成されています。
それぞれの課目の難易度は同じなのかと言いますと、そういうわけではなく、課目によって難易度には差があります。
この記事では、筆者の試験勉強の体験を踏まえて、筆者の思うCFP試験全6課目の難易度ランキングをご紹介します。
なお、この記事のランキングはあくまでも筆者の個人的な感想であり、受験者によって差異があるものだということをご理解いただけると幸いです。
ちなみに筆者は2021年6月実施のCFP試験で全6課目を同時受験し、自己採点の結果トータル正解率87.3%(262/300)で、全6課目に一括一発合格していますよ。
難易度ランキング
1位 金融
「CFP試験で一番難しい課目は何?」
こう聞かれたら、私は迷わず、一切の躊躇をせずに、「金融です」と答えます。
金融は本当に難しいです。
受験者さんのブログやSNSを拝見していても、「一生受かる気がしない」という表現が見られるくらいです。
金融を難しくしているのは何なのでしょうか。
まず、金融は他の課目とは違い、マニアックな時事問題が出題されることが挙げられます。
FPとしては大切な知識だとは思うのですが、「これに自信を持って解答できる人って、どんな対策してるんだろ…」と正直思ってしまうような問題が出てくるのも事実です。
それに加えて、満点を阻止するために出題しているのではと勘繰りたくなるような、難解な計算問題も、必ずと言っていいほど出題されます。
この「マニアックな時事問題」や「難解な計算問題」を得点源にすることは困難で、つまり言い換えると最初から諦めた方がいい(捨てる)問題の筆頭候補です。
この2つがあるため、満点は100点ではなく、90点くらいが満点として戦わなくてはいけないイメージです。
合格ラインは60点ほどで変わりないのに、満点が90点なのですから、他の課目よりも厳しい戦いとなるわけです。
もうひとつの理由は、「過去問と全く同じ問題」あるいは「過去問とほぼ同じ問題」が出題されにくいことにあります。
このため、過去問の丸暗記などの付け焼刃な対策では歯が立たず、もっともっと深い勉強と理解が必要になります。
満点が90点で、しかも問題のレベルも高い。
だから金融は難しいのだと思います。
2位 不動産
金融の次に難しい課目を聞かれたら、私は不動産を挙げます。
不動産が難しい理由は計算問題にあります。
不動産の計算問題は、金融ほどの難解さは無いものの、とにかく計算量が多いです。
1つ1つの計算は易しめでも、1問の計算量が多いため、その中の計算の一部でもミスをすると、その問題は不正解になってしまいます。
さらにCFP試験の中では珍しく、ある問題の解答が次の問題を解くのに必要になることがあります。
1問目で出した答えを、次の2問目で使わないと、2問目が解けないという局面です。
そういった局面ではすなわち、1問目で出した答えが間違っていると、連鎖的に2問目も不正解になってしまうのです。
1問のミスで芋づる式に2~3問分を失点してしまうのですから、この点で他の課目よりも厳しいと言えます。
また、単純に計算量が多いため、2時間という制限時間内に全てを解き終えるのも困難です。
訓練に訓練を重ね、どんな問題が来ても即答するレベルで解答し、意地でも時間内に解き終えるんだという強固たる心構えが無いと、不動産の全50問を2時間で解くのは至難の業です。
ですから、私は不動産を2位に挙げます。
ちなみに計算問題以外の、知識を問う問題については、難問奇問の出題割合は高くはなく、標準レベルです。
終盤に時事的な問題は出題されますが、これは金融とは違い、出題される範囲が限定的なので、事前に対策することが可能です。
具体的には、国土交通省の最新の「土地白書」を見ておくといいでしょう。
3位 ライフ
不動産の次には私はライフを挙げます。
ライフの難しさは出題範囲の広さにあります。
ライフという1課目ではありますが、それを「ライフプラン」と「社会保険」に分ければいいのでは、というくらい、1課目でカバーしている範囲が広いです。
範囲が広いからと言って、じゃあその分中身は薄いのか言うと、これがそうでもありません。
「そこ突いてくるの!?」というような、FP2級やFP3級のテキストの欄外に小さく書かれている、細かい事柄について突っ込まれることもしばしばです。
覚えるべき内容の範囲が広く、そして底も決して浅くはない。
だからライフも、どちらかと言えば難しい部類の課目に入るでしょう。
ちなみに計算問題については、範囲が広い分覚えるべきことは多いですが、難易度はそこまで高くありません。
「そんなの知らないよ!」という計算問題もよく出題されますが、そういった問題はありがたいことに解き方が書いてあるので、その通りに計算すれば問題なく正解できます。
ただし、その書いてある解き方をよくよく読んで解かないと、細かい部分で引っかけられて、不正解になりますのでご注意ください。
4位 リスクと保険
ここからは比較的易しめのランクになっていきます。
4位には私はリスクと保険を挙げます。
リスクと保険の問題は、出題パターンがある程度決まっている印象を受けます。
計算問題を見てみても、計算量が多く難しめの問題もあるにはありますが、それも大体パターン化されているので、過去問を沢山解いて練習していれば、十分に対応が可能です。
ただし、リスクと保険には注意点があります。
それはパンフレットや約款の読み取り問題です。
パンフレットや約款の、長い長い、そして細かい文章や図を正確に読み解かないと解答できない問題が出題されるので、特に本番では焦ってしまうとドツボにハマり、時間を浪費する可能性があります。
パンフレットや約款の読み取り問題が苦手な方は、最後に回して後でゆっくりと解くのも戦略ですよ。
それから、簿記の知識が必要とされるのも、簿記に馴染みのない方には厳しい部分だと思います。
仕訳の問題はほぼ必ず出題されるので、簿記は避けては通れません。
ただしそこまで高度な簿記の知識が必要なわけではなく、日商簿記3級程度の知識があれば余裕、おそらく3級も必要ないくらいだと思います。
5位 タックス
ここまでくるともう下の方ですね。
5位には私はタックスを挙げます。
タックスは、知識を問う問題の出題割合が低く、計算問題が中心に出題されます。
CFP6課目の中で、かなりトリッキーな雰囲気の漂う課目です。
計算問題が多いのは特徴的なのですが、その計算問題のレベルは、例えば金融などに比べれば随分と手加減されている印象が強いです。
大体の問題は過去問をしっかりやってさえいれば、対応するのにそこまでの苦労はしないのではないでしょうか。
こう書くといかにも簡単だと言っているみたいになってしまいますが、そこはCFP試験の1課目。
あくまでも6課目の中では易しいという意味であって、絶対的な物差しで測れば、決して侮ってかかっていい試験ではありません。
ちなみに、比較的易しい問題は多いですが、中には意地悪な問題もちょくちょく紛れ込んでいて、そういった意地悪問題に足を引っかけられることはよくあります。
ですから、満点を狙うのは相当難しいと思います。
税理士さんのCFPタックス受験体験記を拝見したことがありますが、48/50という超ハイスコアではあったものの、満点までには至らなかったくらいなのですから。
6位 相続・事業承継
いよいよ最下位ですね。
6位には、私は相続・事業承継を挙げます。
相続・事業承継が最下位、すなわち6課目の中では最も易しいという、その理由は何でしょうか。
私が思うには、「問題のパターン化傾向がとても強い」「出題される範囲が比較的狭い」「問われる論点の内容が比較的易しい」などが挙げられます。
「またこれが出た!」「これなら散々見た!」という問題が多く、パターン化傾向を強く感じます。
また、出題される論点が限定的なため、記憶したり理解したりする量が、他の課目よりも少なめです。
さらに内容についても、そこまでの奥深さは感じません。
ですから、相続・事業承継を最下位としました。
でも誤解はしないようにしてほしいです。
難易度が最下位でも、「お手軽に簡単に受かる」試験だというわけではないですよ。
いくら問題のパターン化傾向が強くても、そのパターンを学習していなかったら、手も足も出ない超難問に早変わりします。
合格するには他の課目と同様、努力の積み重ねが必須なのです。
試験が実施される順番と同じ
この記事でのCFP試験全6課目の難易度ランキングは、実際のCFP試験で実施される課目の順番と同じになってしまいました。
私はそれを特に意識したつもりはありません。
が、潜在的な意識には何かがあってこうなってしまったのか。
または、日本FP協会も難易度について私と同じ見解で、そのランキングを踏まえた上でこの日程にしているのか。
それとも全くの偶然なのか。
それは分かりません。
ともかく、CFPの勉強をするのに当たって、各課目の難易度には差があり、決して6課目は同格ではないということは、意識された方がいいです。
どの課目から攻略するのかを考えるときに、助けになるからです。
比較的易しい課目から攻略するのも良し、最難関の金融から攻略するのも良し、です。
そこに「絶対にこれ!」という答えはありませんので、あなたの考え方で決めてみてくださいね。
CFP試験に合格するためのアドバイス記事も併せてご覧くださると嬉しいです。
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