こんにちは、あんにゅいです。
独特の雰囲気を放つ台をリリースするイメージのあるパチンコメーカーとして、ベルコの存在があります。
そしてベルコには「なんかピュイピュイうるさい台を作るメーカー」というイメージもあります。
そんなピュイピュイうるさい台の元祖(ではないかもしれませんが)が、1999年に導入されました。
それが『デジスロ7』でした。
(C) ベルコ
デジスロ7とは
デジスロ7(ベルコ)は1999年に登場した4号機Aタイプ7ラインのパチスロです。
演出機能として3桁のデジタルを筐体右上に搭載していました。
メインリール上で「DIGISLO」と書かれた絵柄か色違いの7絵柄が揃うとデジタルが始動し、3つ揃いでボーナス確定となるボーナス告知機能です。
なんとなく「完全告知なのかな?」と思ってしまいますが、完全告知ではありません。
記憶が確かなら、6th7thラインで小役が揃うとボーナス確定(つまり成立後の小役確定)という仕様だったと思います。
6th7thラインで小役が揃って初めてボーナス成立に気付くということもあったので、完全告知ではないはずです。
デジスロ7のスペックは下表の通りです。
設定 | BIG | 機械割 |
---|---|---|
1 | 1/215.5 | 95.0% |
2 | 1/202.2 | 98.0% |
3 | 1/192.7 | 100.0% |
4 | 1/184.0 | 103.0% |
5 | 1/176.1 | 105.5% |
6 | 1/170.6 | 108.0% |
7ライン機なのでBIGの確率は高めとなっています。REGは非搭載です。
低設定域の機械割が辛く、そして高設定域も機械割が抑えられている印象を受けます。
リプレイハズシの効果も薄く、やってもやらなくてもさほど変わらない(プラス数枚程度?)といったレベルでした。
ゲーム性はわかりやすく遊ぶのにはいいですが、勝ちづらい機種だったかもしれません。
なお兄弟機種としてボーナス確率を抑えた『ネオ7L』という機種もありました。
等価店向けのスペックとされていたようですが、デジスロ7でも十分辛いのでそれ以上辛くしたバージョンは出さなくても良かったのではと私は思います。
設定予約イベント
イベントが厳しく規制されている現在では考えられないですが、当時のホールではやりたい放題と言いますか、様々なイベントが開催されていました。
その内のひとつとして、あるホールでは「1000回ハマると設定4~6の予約券が貰える」というイベントがありました。
設定予約券を使って台を予約すると、翌日の開店時間から閉店時間までその設定の台を打つことができたのです。
ただし予約機種はこちらは選べません。機械割が控え目な機種を店側が指定してきます。
そして1000回ハマリとは言っても、回転数はREGでもリセットされますし、当時のデータカウンタは粗悪でなぜかリプレイが揃った次のゲームはカウントしませんでした。1000回ハマリへの道のりは遠かったのです。
さらに営業形態は8枚交換です。
一見魅力的なイベントのようにも思えますが、それらの条件を勘案しますと魅力的どころか店側の「しぼり取ってやる」という意図を強く感じ取れてしまうイベントのような気がします。
設定4予約券(笑)
当時、私にはインターネットで知り合った友人(Sさんとします)がいました。
Sさんは私より少しだけ年上でパチンコにも精通していて、私は兄貴分のようにSさんを慕っていました。
そして住んでいる地域が同じだったこともあり、ネット上でやりとりするだけではなく、実際に会い連れ打ちをすることもありました。
この日も、私はSさんと一緒に件のホールで打っていました。
目押しに自信のあるSさんは『ビーマックス』(アルゼ、1998年)に挑戦していました。
しかし8枚交換のくせにこのホールのビーマックスの設定状況は悪かったらしく、Sさんはハマりにハマりデータカウンタの値は1000に到達してしまいました。
Sさんは私にそのことを報告しに来た後、店員呼び出しボタンを押し、駆け寄ってきた店員にデータカウンタを指差して見せたのです。
そして「こちらへどうぞ」とSさんは店員に促され、カウンタの方に歩いて行きました。
事の顛末に興味津々だった私も、その後をついて行きました。
Sさんは設定予約券を貰えるはずです。
どの機種の、どの設定を打たせてもらえることになるのか、行く末を見守りたかったのです。
店員からの説明を私も一緒に聞きました。
どうやら今日貰える予約券の機種は、デジスロ7限定ということでした。
その時点でSさんは呆れたという態度を取りましたが、説明は続きます。
店員が裏にしたトランプカードを5枚差し出すので、その内の1枚を引いてください、ということでした。
そのカードの表に書かれている数字が、予約できる設定なのだそうです。そして、5枚全て4以上であることは確定です、と付け加えました。
ということはひいき目に考えても、5枚の内6が1枚、5が1枚、残りの3枚が4というところかな、と私は思いました。
しかし今にして思えば、「5や6も含まれている」と店員は言っていないので、5枚全て4だったのかもしれません。トランプ一組に4は4枚しかありませんが、そんなことはどうとでもできるのです。
案の定Sさんが引いたカードは4でした。
店員は淡々とした態度で「おめでとうございます」と言い、Sさんにデジスロ7設定4予約券を渡そうとしました。
それまでおとなしい態度を貫いていたSさんが、ここでキレました。
「いらねーっつーんですよ、そんなもん!!!」
Sさんはそう声を張り上げ、差し出された予約券をはねのけ、店から出て行ったのでした。
怒るのも無理はない
Sさんの怒りももっともなのです。
この店は8枚交換です。
そしてデジスロ7の設定4の機械割は103%。
その条件ならば、通常営業だとしても設定4くらいは日常的に使うはずで(少なくともこちらからすれば使ってほしい)、5や6に座れる可能性もあるはずなのです。
それが予約券を使うことによって設定は4が確定され、5や6に座れる可能性も完全に消え去ります。
8枚交換で機械割103%を1日打ったところで、こちらは大して有利ではありません。それどころか、期待収支がプラスかどうかも怪しいです。
計算方法は割愛しますが、総投資額が20,000円以内で済むのなら、期待収支は辛うじてプラスになります。しかしその金額は微々たるものです。
そんなデジスロ7設定4予約券を押しつけがましく渡されたのです。
そりゃあ、怒るでしょうね。
しかし不謹慎にも、私は思ってしまいました。
自分の感情をストレートにぶちまけることができるSさんを、かっこ良いと。
臆病な私にはできない芸当をしてみせてくれたSさんに、尊敬の念を抱きました。
こうして私がSさんを慕う気持ちはますます強くなり、その事件の後も親交は続いたのでした。
ちなみに、あの後携帯にSさんからメールがあり、そこには「今日はこれで帰りますね。この後も頑張ってください。すみませんでした。」と書かれていました。
しかし私もこれ以上打つ気は失せていたので、出玉を流して私も帰路につきました。
ホールも商売なのだろうけれども、もうちょっとイベントの内容を考えた方が良いんじゃないかなあ、と考えながら。
【パチスロ思い出話】シリーズの記事は下記の通りです。
- 【パチスロ思い出話】その1. ハナビ ~ホールデビューした日~
- 【パチスロ思い出話】その2. クランキーコンテスト ~目押しの才能無し~
- 【パチスロ思い出話】その3. デジスロ7 ~設定4予約券(笑)~
- 【パチスロ思い出話】その4. アステカ ~「設定?札」に魅せられて~
- 【パチスロ思い出話】その5. サンダーV ~見栄は禁物~
- 【パチスロ思い出話】その6. シーマスター ~悪人になりきれないカツアゲ君~