こんにちは、あんにゅいです。
債券投資には、デュレーションという指標があります。
デュレーションはリスク指標として広く用いられる概念です。
この記事ではデュレーションの概要をご説明し、デュレーションの求め方を例を挙げながら見ていきますよ。
デュレーションとは
【デュレーションの2つの意味】
1. 債券に投資した元本の平均回収期間
2. 金利の変化に対する、債券の価格の感応度(変化率)
債券に投資した元本の平均回収期間
1つ目の意味として、債券のデュレーションは、「その債券に投資した金額を何年で回収できるか」という平均回収期間を示しています。
割引債におけるデュレーションの値は、残存年数と同一になります。
利付債のデュレーションは、残存年数よりも短くなります。
金利変化に対する債券価格の感応度(変化率)
2つ目の意味として、債券のデュレーションは、金利の変化に対する債券の価格の感応度(変化率)を示しています。
債券の価格は、金利とは反対の方向に動きます。
すなわち、金利が上がれば債券の価格は下がり、金利が下がれば債券の価格は上がります。
その価格が変動するときの変化率は、金利の変化率にデュレーションを乗じた値にほぼ等しくなります。
クーポン(表面利回り)の低い債券や、長期の債券ほど、デュレーションは長くなります。
そしてデュレーションが長い債券は、金利の変動による価格の変動リスクが大きくなります。
つまりデュレーションが長い債券ほど、金利の変動に対して、価格が大きく動くことになります。
債券の金利リスクを測るためのものさしがデュレーションと言うことができます。
金利が上がると価格が下がる 債券の利率と価格の関係
デュレーションの性質
【デュレーションの性質】
1. 割引債のデュレーションは残存期間に等しい。
2. 利付債のデュレーションは残存期間より短い。
3. 他の条件が同じであれば、クーポンレートが低いほど、デュレーションは長くなる(クーポンレートが高いほど、デュレーションは短くなる)。
4. 他の条件が同じであれば、残存期間が長いほど、デュレーションは長くなる(残存期間が短いほど、デュレーションは短くなる)。
5. 他の条件が同じであれば、複利利回りが低いほど、デュレーションは長くなる(複利利回りが高いほど、デュレーションは短くなる)。
【どうやって計算するの?】債券の利回りの種類と公式
デュレーションの計算
公式
デュレーションを求める計算式は、下記の通りです。
計算例
下記の条件でデュレーションを計算してみましょう。
・残存期間 4年
・クーポンレート 6%
・複利最終利回り 5%
*計算過程は小数点以下第5位を四捨五入し、
計算結果は小数点以下第3位を四捨五入する。
上記の条件をデュレーション計算の公式に当てはめて計算すると、下記のようになります。
【答え】
↓
上記より、この債券のデュレーションは3.68年です。
デュレーションが残存年数(この債券は4年)を上回ることはないので、3.68年というこのデュレーションも、その点をクリアしています。
計算結果に不安になったら、このように検証していくのも、ひとつのテクニックですよ。
以上、債券のデュレーションについてご説明しました。