こんにちは、あんにゅいです。
年末調整や確定申告など、税金の計算の際に「控除(こうじょ)」という言葉をよく目にしますよね。
控除って何? 今更聞けないよ…。
という人のために、所得税の計算を例として、控除の意味を解説していきます。
辞書での控除の意味
辞書で控除の意味を調べると、下記のように書かれています。
【辞書での控除の意味】
・金銭や数量などを差し引くこと
所得税の計算で使う控除の意味
所得税の計算でも、控除という言葉が使われます。
ここで使う控除の意味も、辞書に載っている意味と同様、金額を差し引くことです。
所得税の計算では、所得金額からある金額を控除したり、所得税額からある金額を控除したりします。
控除をすることで、税金が安くなるんです。
税金の計算での控除は、公平性を保つために生まれました。
例えば所得税には医療費控除があります。
ケガや病気などの治療に使う医療費は、人によって違います。
医療費控除では、その人の所得金額から、その人が使った医療費を差し引きます(医療費の全額ではないですが)。
そうすることで、医療費がたくさんかかった人の所得税は安くなり、それと比べれば医療費がかからなかった人の所得税は高くなります。
個人や家庭の事情によって税金を負担できる能力(担税力)は違います。
控除をすることでそこに公平性が生まれるのです。
所得税の計算で使う控除は、大きく分けると2種類あります。
所得控除と税額控除です。
ここからは所得控除と税額控除の概要をご説明します。
所得税の所得控除とは
所得控除は、所得からある金額を差し引くことです。
所得控除された分、課税の対象となる所得金額は低くなり、所得税の金額も低くなります。
図にするとこんなイメージです。
所得税の税額控除とは
税額控除は、所得控除後の所得金額より計算された算出税額から、さらにある金額を差し引くことです。
税額控除によって、納める所得税の金額は算出税額よりも低くなります。
図にするとこんなイメージです。
所得税の計算で使う控除の具体例
では、所得税の計算で使う、所得控除や税額控除の具体的な例を挙げますね。
所得控除や税額控除は複数種類ありますが、よく見聞きしそうなものを取り上げてみます。
医療費控除
医療費控除の特徴はこのようになっています。
【医療費控除の特徴】
・所得控除
・診療や治療のために支払った医療費が対象
・納税者本人 & 納税者本人と生計を一にする配偶者や親族が対象
・最高控除額は200万円
・所得金額が200万円以上か200万円未満かで、控除額の計算方法が違う(200万円未満の方が有利)
・確定申告をすると控除の対象になる
配偶者控除
配偶者控除の特徴はこのようになっています。
【配偶者控除の特徴】
・所得控除
・生計を一にする配偶者が対象
・納税者本人の所得が1,000万円以下
・配偶者の所得が38万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)
・基本的に最高控除額は38万円
・70歳以上の配偶者の場合は最高控除額は48万円
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン控除の特徴はこのようになっています。
【住宅ローン控除の特徴】
・税額控除
・住宅の購入や増改築で借りた借入金が対象
・ローン期間が10年以上
・住宅が一定の条件を満たす(床面積が50㎡以上など)
・納税者の所得が3,000万円以下
・控除額 = 借入金等年末残高 × 1%
・給与所得者は、最初の年は確定申告が必要であるが、2年目以降は年末調整で適用が受けられる
まとめ
まとめますね。
【辞書での控除の意味】
・金銭や数量などを差し引くこと
【所得税の計算で使う控除の意味】
・所得金額や所得税額からある金額を差し引くこと
・差し引くことで所得税額が安くなる
・公平性を保つためのもの
・所得税の計算では、所得控除と税額控除がある
・所得控除は、所得金額から差し引く
・税額控除は、所得控除後の所得金額より算出された税額から、ダイレクトに差し引く
いかがだったでしょうか。
難しいですよね。
所得控除や税額控除など、聞き慣れない言葉ですので、意識が飛びそうになるかと思います。
控除を受けると税金が安くなる
とりあえずはこう捉えておけば問題ありません。
所得税での控除は、年末調整で会社から渡される書類を書いたり、確定申告をしないと適用を受けられないものもあります。
控除を受けることで還付金が貰えることもあるので、損をしないように、受けられる控除は受けられるように申請したいですね。