こんにちは、あんにゅいです。
卒爾ながら契約していたヘッジファンドのBMキャピタルを解約しました。
運用期間は2018年7月~9月の3ヵ月間でした。
私がBMキャピタルに興味を持ち、面談に臨み、そして契約に踏み切った際のことは下記の記事にまとめております。
【関連記事】【駆け出し投資家 vs 営業】BMキャピタルは怪しいのか? 営業担当者との面談バトル
肩を聳やかして上記のような記事を書いておきながら、僅か3ヵ月で解約してしまったことにつきまして、誠に慚愧の念に堪えません。
まずは結論から
はじめにこの記事を書いた意図を明らかにします。
私はBMキャピタルと契約する前から「ヘッジファンドはグレー」だと思っていました。
黒だと決めつけていたわけではないのですが、少なくとも純白だとは決して思っていませんでした。
「ヘッジファンドはグレー」だと思っていたということは、ヘッジファンドであるBMキャピタルも怪しいのではないかと疑いの目で見ていたことになります。
そしてそれは現在でも変わっていません。
加えて、私はひどく心配性です。
それらの要素を加味して、BMキャピタルを解約した理由を端的に言いますと、「BMキャピタルに出資してみたはいいものの、怪しいファンドだったらどうしようという不安に耐えかねるようになったから」ということになります。
しかし、BMキャピタルが詐欺まがいのスキームを組んでいるという証拠など私の知る限り存在しません。
あくまでも「怪しいファンドだったらどうしよう」という不安を私が勝手に抱いていただけです。
したがって、もしもあなたが、
ヘッジファンドは白だと思っている
あるいは、
グレーだと思ってはいるけれど、別に不安になんかならない
のであれば、ヘッジファンドに投資することを私はお勧めします(もちろん自己責任でお願いします)。
後述しますがヘッジファンドというのは一般的にローリスクハイリターンな投資先なので、金融商品として非常に魅力的だからです。
しかし、
グレーだと思っていて、投資後に不安になる
のであれば、ヘッジファンドに投資することはあまりお勧めできません。
私と同じ轍を踏むことになりかねないからです。
ここで誤解の無いようにお断りしておきたいことがあります。
この記事の主旨は「私は心配性なのでBMキャピタルを解約した」ということです。
ややもすると「BMキャピタルはやめておけ」ですとか「ヘッジファンドなど詐欺だ」と言っているように受け取れてしまうかもしれません。
しかし、それは私の意図するところではありません。
そして、この記事はBMキャピタルを批判するものではありません。
そうではなく「心配性な人がヘッジファンドに出資をするとこうなる」ということをお伝えするのが目的です。
それらの点をご留意の上、この記事を何らかの参考にしていただければ幸甚です。
BMキャピタルを解約した3つの理由
私がBMキャピタルを解約した理由は3つあります。
その3つの理由とは下記のようなものです。
- 私は用心深く心配性だから
- 出資金が0になってもらっては困るから
- ローリスクハイリターンな投資先だから
これだけでは説明不足だと思いますので、それぞれ詳しく見ていきます。
私は用心深く心配性だから
私は石橋を叩いて渡る性格です。
そして、叩き過ぎるくらい叩き、その挙げ句結局渡らないこともあるくらいです。
さらに、仮にその石橋を渡り切ることができたとしても、「今回は渡れたけれど、次の石橋は渡ることができるだろうか」といういらない心配が始まってしまうという根っからの心配性です。
このような性質では「BMキャピタルと契約できたのはいいけれど、芳しくない結末を迎えてしまったらどうしよう」となるのも自然なことでしょう。
後述する他の2つの、
- 出資金が0になってもらっては困るから
- ローリスクハイリターンな投資先だから
という理由も「心配性」という私の性質に深く関わっています。
これは性格による問題ですし、ある意味ではどうしようもないと思います。
出資金が0になってもらっては困るから
投資家としては出資したお金がどうなるかは非常に気になるところです。増えれば嬉しいし減れば悲しい、これが正直な気持ちではないでしょうか。
投資の世界ですから、出資した金額がボロボロに下落していくことも当然あるでしょう。
例えばあるファンドに100という額を出資したとして、その100が1や0になってしまうこともあり得ると思います。
私は、100が1になることは許容できる(とは言っても穏やかではいられないと思いますが)のですが、0になってしまうことは許容できません。
出資金が1になることと0になることの違い
出資した100が1になる。。。地獄絵図のような下落だと思います。
しかし0になったわけではありません。
そのファンドの価値がまだ残っている以上、また100に戻るというV字回復をする希望はあります。
そればかりか、100を超えていくという可能性も秘めているのです。
ところが、0になってしまうとそういうわけにはいきません。
0になるということは会社で言えば破綻するということなので、回復の目はもうありません。
出資したお金は紛れもなく0となり、V字回復どころか1円でさえ懐に戻ってくることはもうないのです。
出資額が1/100になるというのは極端なのですが、金融危機などにより半分くらいになることは十分にありえます。
そんなとき「平均回帰性という概念もあるしまた上がるさ」と枕を高くして眠れるのか、「価値が0になってしまった」と絶望の淵に沈むのかでは、大きな違いがあります。
一般的な投資信託よりも0になる可能性は高い
一般的な投資信託は0にはまずならない
投資信託には販売会社・運用会社・信託銀行の3つの会社が関わっています。
そしてこれらの内いずれかが破綻したとしても、投資家が出資したお金は守られるという仕組みになっています。
したがって、販売会社・運用会社・信託銀行の破綻によって出資額が0になるということはまずありません。
0になる可能性があるとすれば、その投資信託が投資している全ての国や会社が破綻した場合や、通貨の価値が0になった場合などでしょうか。
しかし、それとて現実的ではありません。
もしもそんな事態になったら、悠長に投資などしている場合ではないはずです。
投資信託は元本が毀損することこそ日常茶飯事ですが、0になることはほぼないのです。
ヘッジファンドは0になる可能性がある
これに対してヘッジファンドは出資額が0になってしまう可能性を現実的に孕んでいます。
ひとつは、ヘッジファンドという会社の運営が難航してしまい破綻する可能性です。
順風満帆にいっているときはいいかもしれませんが、世の中何があるかわかりません。
例えばファンドマネージャの身に何かあった場合、残された社員だけではファンドを運用できないという図式になることも十分に考えられます。
BMキャピタルの営業の方との面談のとき、私は「出資額が0になることはありますか?」という質問をしました。
その質問に対する答えは「社長が飛行機事故にでも遭ったりしたらそうなる可能性はあります」というものでした。
つまり、言い方は非常に悪いのですが、面談時点では社長がいないと破綻する可能性がある会社なのかな、と私は思ってしまいました。
もうひとつは、これも非常に申し上げにくいのですが、詐欺ファンドである可能性です。
詐欺ファンドだった場合、出資額が0になることなど自明の理ですよね。
ここで重ねてお断りしておきますが、私はBMキャピタルが詐欺ファンドだとは思っていません。
ただし、詐欺ファンドの可能性は限りなく低いとしても、完全に否定することはできないと思っています。
これが心配になってしまうのも、心配性という私の性質が所以でしょう。
ローリスクハイリターンな投資先だから
最後の理由は「ローリスクハイリターンだから」です。
「リスクが低くてリターンが大きいなら、良いんじゃないの?」と思われるかもしれません。私もそう思っていました。
しかし、ある理由によりそうも思えなくなってきたのです。
これも私の心配性という性質に由来します。
詳しく見ていきます。
リスクとは
資産運用の世界ではリスクという言葉は将来のリターンの不確実性を指します。
資産の価値が下落することを指すのではありません。
例えば、毎年必ず5%ずつ価値が下がっていく金融商品があるとします(そんなものがあったら嫌ですが)。
ではこの金融商品のリスクは高いでしょうか? 低いでしょうか?
正解は「この金融商品のリスクは0」、です。
繰り返しになりますが、リスクという言葉が指すのは「不確実性」であり、「下落すること」ではありません。
毎年「確実に」マイナス5%のリターンがあるのならば、そこにリスク(不確実性)は存在しないのです。
ハイリスクハイリターンとローリスクハイリターンの違い
それを踏まえて、ハイリスクハイリターンとローリスクハイリターンの違いをご説明します。
まず、下図はハイリスクハイリターンのイメージです。
続いて、下図はローリスクハイリターンのイメージです。
両者を比較するといかがでしょうか。
ハイリスクの方が浮き沈みが激しく、それに比べてローリスクの方は割と安定しています。
実は両者の最終的な到達地点(リターン)は同じです。
しかしリターンは同じだとしても、リスクに違いがあるとその過程は大きく変わるのです。
BMキャピタルはローリスクハイリターンと判断
BMキャピタルのキャッチコピーとして、下記の3点があります。
- 損失を出さないという哲学 過去に運用成績がマイナスになった年 0回
- 安定したパフォーマンス 全ての年において年間利回り 10%以上
- 長期投資による資産形成 直近4年間で資産価値 2倍以上
これらから判断できることは何でしょうか。
まず、2と3からリターンが非常に高いことがわかります。
そして、1と2からリスクはかなり低いと推考します。
つまり、BMキャピタルはローリスクハイリターンということです。
もちろん人によって捉え方は様々だと思いますが、私はそう判断しました。
ローリスクハイリターンな金融商品への疑念
この記事を書いている今現在、私は投資歴が約半年という駆け出しです。しかし短いながらも投資生活の中でわかってきたことはあります。
そのひとつは、高いリターンには高いリスクが付き物だということです。
もっと言うとローリスクハイリターンな金融商品に疑念を持つようになりました。
安心安全で、高い収益が期待できる案件は、投資商品として成り立つのだろうか? 投資家から資金を集めるよりも、配当より安い金利でどこかからお金を借り入れてきた方が、手数料が安く合理的ではないのか? その選択肢を取らないのはなぜか?
という疑念です。
さらに疑念は続きます。
国内には著名な投資ブロガーは沢山いるが、ヘッジファンドに投資しているという記事をあまり見かけないのはなぜか? なぜ、彼らはヘッジファンドに投資をしないのか?
その疑念の答えの中に私の求める結論があるような気がしてならないのです。
もちろん、ローリスクハイリターンな金融商品は存在するのかもしれません。
しかし、存在しないのかもしれません。
あるかもしれないし、無いかもしれない。
それならば、「ある」という可能性に賭けるよりは、「無い」ということにしておいた方が安全だ、という考えに至りました。
私は解約したけれど
以上の、
- 私は用心深く心配性だから
- 出資金が0になってもらっては困るから
- ローリスクハイリターンな投資先だから
という3点が私がBMキャピタルを解約した理由です。
私のように、「BMキャピタルはグレー」だと言うことは誰にでもできます。
しかし白か黒か、どちらなのかはっきりと言い切ることができる人はあまりいないのではないでしょうか。
白だという証拠も黒だという証拠も無い以上、私からすればグレーだと言わざるをえません。
そして、グレーだということに不安を強く感じるようになってしまい、解約したのです。
そう、私はBMキャピタルを解約しました。
しかし、だからと言って、「私は解約しましたし、あなたも解約しましょうよ」などと言うつもりは全くありません。
BMキャピタルからすれば迷惑極まりない話だと思いますし、投資している人からすれば大きなお世話もいいところだと思うからです。
私は心配性なので解約した。ただそれだけのことです。
契約するのもしないのも、そして解約するのもしないのも、その人の考え方次第です。
万人に共通する答えなど無いでしょう。
言わずもがな、どちらを選択したとしても、その結果責任は私は一切負いません。
ひとつ、解約するということは、「BMキャピタルがまっさらな白の場合、ローリスクハイリターンな魅力的な商品をみすみす手放す」ということになります。その機会損失を被る可能性はあるということは申し上げておきます。
解約する際に方便を使った
BMキャピタルを解約する際に、私の担当をしていただいている方から「差支えなければ解約理由をお伺いしてもよろしいでしょうか」と訊かれました。
私は「諸事情により来年中に現金が必要なことが見込まれるためです」と返答しました。
まさか「貴社に出資をしていることが不安になったからです」などと馬鹿正直に答えるわけにはいきませんよね。
しかし、嘘をついたことに幾ばくかの罪悪感を持っていることも事実です。
本当のことを言わずに誤魔化したことにつきまして、この場を借りてお詫び申し上げます。
今後について
私はBMキャピタルに出資をし、そして解約をしました。その際に契約書の内容通りに出資したお金は戻ってきました。
戻ってきた金額は約1000万円です。
この1000万円をどうしようかと考えました。
またポートフォリオを練り直して投資信託を追加購入するという選択肢もあります。
しかし、当面は現金としてヘッジしておくことにしました。
いつか市場で大暴落が起きたときのための、待機資金として保有しておくのも良いかもしれないと考えたのです。
私の現在の総資産額は約5000万円です。
その内、投資信託+ロボアドバイザー+個別株の合計が約3500万円です。
さらに生活防衛資金が500万円。
そして待機資金が1000万円。
この構成も悪くはないのかな、と思います。
ヘッジファンドについてですが、「ヘッジファンドは白」だという確信が持てない限り、今後はヘッジファンドに投資をすることはもうないかもしれません。