【パチスロ思い出話】その5. サンダーV ~見栄は禁物~

こんにちは、あんにゅいです。

パチスロで勝った日は、得も言われぬ幸福感や優越感を感じるものです。

その感情は初心者の頃ほど強いと思います。

そしてこれは人によると思うのですが、パチスロで勝った自分の姿を友人知人に見てほしいという願望が生まれることがあります。

普段は負けているにしても、勝ったときくらいは自慢したいという気持ちでしょうか。

要するにただの見栄なのですが、下手に見栄を張ろうとしてもろくなことにはならないというエピソードを、今回は綴ります。

 

(C)メーシー

 

サンダーVとは

サンダーV(メーシー)は1997年に登場したパチスロ4号機です。

いわゆる初代サンダーVです。

3連V絵柄やリールフラッシュ、予告音など、当時としては斬新で画期的な機能を搭載し、後の業界に大きな影響を与えました。

サンダーVのボーナス確率と機械割は下表の通りです。

 

設定BIG確率REG確率機械割
11/2931/43195.36%
21/2731/43198.20%
31/2601/400100.98%
41/2481/372103.76%
51/2451/303106.58%
61/2411/256109.38%

(メーカー発表値)

 

適当打ちでもこの機械割です。

フル攻略で打てば更なる機械割の上昇が見込め、ノーマル機としてのポテンシャルは相当なものでした。

 

スタンプを集めて設定6予約

私の行きつけのあるホールでは、スタンプカードをいっぱいにすると設定6の台を打てるというサービスを行っていました。

スタンプは1日1回、来店時に貰えます。

スタンプが貯まったとき、機械割が120%を超えるような超ハイスペック機はさすがに対象外でしたが、ハナビなどの人気機種は選ぶことができ、評判の良いサービスでした。

スタンプさえ貯まれば設定6を丸一日打てるのですから、かなりおいしいと言えると思います(ただし8枚交換)。

そして、選ぶことのできる機種の中には、サンダーVも含まれていました。

 

自慢したい

私は来る日も来る日もそのホールに通い詰めました。

スタンプを貰うのが目的です。

スタンプ目当てと言うとホールからは煙たがられるかもしれませんが、遊び打ちと称して無駄打ちをしたり、打たない日であってもジュースくらいは買ったりしていたので、結局は良いお客さんだったと思います。

さて、私は連日せっせとホールに通い、ついにスタンプカードがいっぱいになりました。

これで設定6が打てます。

問題なのはどの機種の設定6を打つのかということですが、私はこのときサンダーVにしようと決めていました。

サンダーVの設定6なら適当打ちでも機械割が約110%ありますし、目押しが完璧ならなんと約117%という甘さです。

私の目押し力では完璧に攻略するのは無理なのですが、それでもなんちゃって攻略をすることによって、最低でも機械割110%は約束され、恐らくそれよりは高い数字が望めます。

ということで私は早速貯まったスタンプカードを使い、サンダーVの設定6を予約しました。

ギャンブルに絶対など無いのですが、パチスロ初心者ならではの思い違いと言いますか、私はもうこの時点で大勝ちしたような気分になっていました。

そして勝ちが約束された気分になっていた私は、友人に自慢したいという欲求が沸き上がってきました。

勝った自分の姿を見てもらうことで、「俺ってパチスロ上手いっしょ?」と友人の前でドヤ顔したかったのです。

今思うとかなり面倒くさい奴だという感がありますが、まあそこは若さゆえのご愛嬌ということにしておいてください。

 

世の中甘くはない

ドル箱を山積みにしている(予定の)私を友人に見てもらうべく、私はホール閉店10分前にホールに来てもらうように友人にお願いしました。

大量のコインを流している(予定の)姿を自慢した後、私のおごりで二人で居酒屋に飲みに行くつもりでいました。

「好きなだけ飲んでよ。今日は結構勝ったからさ。」

このセリフを言ってみたかったのです。

しかし、思い通りに事が運ぶほど世の中は甘くありません。

サンダーVの設定6を予約したその日、時刻はもう閉店15分前なのに、私の頭上のドル箱にはコインは一枚も入っていませんでした。

さすがは設定6と言うべきか総投資額は微々たるものでしたが、いかんせん展開が悪く、終始下皿モミモミの状態でした。

友人が来る約束の時間まであと5分。

ここからドル箱山積みにはもうできません。

友人に自分の雄姿を見てもらうことも、もう叶いません。

せめてもの救いなのは、「設定6を打つ」とか「絶対に勝つから」とか、友人に大きな口を叩いていたわけではなかったことです。

そんなことを言っていたとしたら、相当恥ずかしいことになっていたので、助かりました。

時間になり、約束通り友人がやって来ました。

私は友人に、いまいちな展開だったことともうヤメることを告げ、下皿に残った僅かなコインを流しました。

換金を終えた私に、友人が訊いてきます。

 

友人「で、今日はどうだったの?」

私「うん、今日は負けだよ」

友人「いくらくらい負けた?」

私「な、7000円くらい」

友人「。。。ま、飲みに行こうや」

 

友人はそう言い、私の肩をぽんぽんと叩きました。

私は友人に勝ちを自慢しその姿をひけらかすつもりでいたのに、逆に気を遣われて慰められるというその構図に、なんだかとても恥ずかしいような、いたたまれない気持ちになりました。

そして、見栄なんか張ろうとするもんじゃないということを、強く思ったのでした。

 

 

【パチスロ思い出話】シリーズの記事は下記の通りです。