【簡単な計算例も掲載】建築基準法の建ぺい率とは

こんにちは、あんにゅいです。

建築基準法には、建ぺい率(建蔽率)という概念があります。

この記事では建ぺい率の概要と、建ぺい率を使った簡単な計算例をご紹介します。

 

建ぺい率とは

 

【建ぺい率とは】

敷地面積に対する建築面積の割合のこと。

 

 

建ぺい率は、都市計画で30%~80%の範囲で制限が定められています。

建築基準法上、指定された建ぺい率を超える建築面積の建物を建てることができません。

 

あんにゅい
例えば敷地面積が100㎡で、建築面積が70㎡だとしたら、建ぺい率は70%です

 

 

建築面積の計算例1

 

建ぺい率の計算例1

 

甲土地を敷地として建築物を建築する場合、建ぺい率の制限に基づく建築面積の上限は?

 

このケースでは、建築できる建物の面積はどのくらいになるのか、考えてみましょう。

 

まず、甲土地の面積を求めます。

 

【甲土地の面積】

10m × 15m = 150㎡

 

指定建ぺい率は70%ですから、甲土地の面積の150㎡70%をかけると、建築基準法上の建築面積の上限になります。

 

【甲土地の建築面積の上限】

150㎡ × 70% = 105㎡

 

ですから、このケースでの建ぺい率の制限に基づく建築面積の上限は、105㎡です。

 

 

建ぺい率の緩和

指定された建ぺい率は、緩和されることがあります。

それは下記のような場合です。

 

【建ぺい率が緩和されるケース】

①特定行政庁が指定する角地
→指定建ぺい率に+10%

②防火地域内にある耐火建築物
→指定建ぺい率に+10%

③上記の2つを同時に満たす(①+②)
→指定建ぺい率に+20%

④指定建ぺい率が80%の地域内で、防火地域内にある耐火建築物
→建ぺい率が100%になる(建ぺい率の制限なし)

 

 

建築面積の計算例2

 

建ぺい率の計算例2

 

乙土地を敷地として耐火建築物を建築する場合の、建築面積の上限は?

 

このケースを考えてみましょう。

先程と同じように、まずは乙土地の面積を求めます。

 

【乙土地の面積】

12m × 21m = 252㎡

 

次に、指定された建ぺい率をかけたいですよね。

指定建ぺい率は60%とありますから、60%をかければよいのでしょうか?

 

ちょっと待ってください。

前項で、建ぺい率は緩和されることがあると書きました。

 

資料には、「乙土地は、建ぺい率の緩和について特定行政庁が指定する角地である」とあります。

ですから、乙土地は角地について建ぺい率の緩和を受けることができます。

 

更に、乙土地の防火規制は、防火地域とあります。

その上で、「乙土地を敷地として耐火建築物を建築する」とあります。

ですから乙土地は、防火地域内耐火建築物を建築する場合の建ぺい率の緩和も、受けることができます。

 

以上の2つの緩和の条件を同時に満たすので、乙土地の建ぺい率の上限は、指定建ぺい率に+20%することができます。

 

【乙土地の建ぺい率】

60% + 20% = 80%

 

乙土地の面積の252㎡に、緩和された建ぺい率の80%をかけます。

 

【乙土地の建築面積の上限】

252㎡ × 80% = 201.6㎡

 

ですから、このケースでの建ぺい率の制限に基づく建築面積の上限は、201.6㎡となります。

 

 

以上、建築基準法の建ぺい率について、ご説明しました。

 

 

 

関連する概念の、容積率についても書いておりますので、よろしければご覧ください。

建築基準法の容積率って何? 計算方法は?