【パチスロ思い出話】その6. シーマスター ~悪人になりきれないカツアゲ君~

こんにちは、あんにゅいです。

パチンコを打つ打たないに関わらず、「パチンコ業界=低俗」というイメージを持っている人は多いでしょう。

それは間違っていません。

パチンコは公的には認められていないものの、ギャンブルだからです。

賭け事の世界には私を含め少なからず底の知れている人々が存在するもので、ときに彼らはタカリやカツアゲ等の犯罪めいた行為を猖獗させます。

そんな危ない目に遭いかけたエピソードを、今回は綴ります。

 

(c) 山佐

 

シーマスターとは

シーマスター(山佐)は1999年に登場した4号機パチスロです(A-400)。

テトラリールと呼ばれる業界初の「4本目のリール」を搭載したという触れ込みでした。

4本目のリールではありますが、これはプレイヤーがボタンを押して止めるものではなく、小役告知やチャンス告知、ボーナス告知等を行うためのものでした。

とどのつまり第4のリールと言うよりは演出用の役物だったのです。

シーマスターのスペックは下表の通りです。

 

設定BIG確率REG確率機械割
11/287.41/655.394.0%
21/273.01/606.896.8%
31/260.01/564.999.6%
41/248.21/528.5102.4%
51/240.91/468.1105.2%
61/240.91/364.0108.0%

(メーカー発表値)

 

リプレイハズシや小役目押しをすることで機械割アップが見込め、標準か標準よりやや甘いスペックだったと記憶しています。

 

おどおどしている?

今現在でも私は決して堂々とした立ち振る舞いではないのですが、18歳の当時は今より更におどおどした雰囲気を放っていたと思います。

18歳と言えばパチンコ業界では名目上は最年少で、周りの人間の年齢は自分以上のはずです。

そのような環境で、かつ自分に自信の持てない私の性質では、周りに対して怯んでしまうのも致し方ないでしょう。

タカリ・カツアゲをしようと虎視眈々とターゲットを探す人にとっては、私などは格好の的だったのかもしれません。

 

根は良い奴なのかも

私の体調は相当程度に悪い状態でした。

今朝起きたときから体がだるく、頭もぼーっとします。

そんなコンディションなのに今ここでシーマスターを打っているのは、今日が新台入れ替え初日だからです。

このホールの新台入れ替え初日は高設定を入れる傾向にあるようで、お祭り状態になるのもよく見かけていました。

だから今日もお祭り状態を期待して来てみたらどうやらビンゴ、自分の台も含めシーマスターは勢い良くコインを吐き出しています。

しかし出玉と反比例するように私の体調は悪化の一途を辿り、体調は最悪です。

早く帰って横になりたい。

自分の根性に限界を感じ、外はまだ明るいですが、泣く泣く出玉を流して帰宅することにしました。

カウンターで特殊景品を受け取り換金所でお金に換えると、私は自分の車を目指して駐車場に向かいます。

すると、私の進路を塞ぐようにチャラチャラした格好の兄ちゃんが登場し、前に立ちはだかりました。

意識が朦朧とし思考が追い付かない私に、兄ちゃんは言いました。

「結構出してたね。儲かったでしょ?」

鈍い私でもピンときました。

これはカツアゲだなあ。体調悪いのに…。

勘弁してよと心の中では泣きそうになりながらも、私は精一杯の毅然とした態度で応酬します。

「いや、全然勝ってないですよ。」

「だって今換金してたじゃん。3万くらい。ちょっとくれない?

来た。

何が「ちょっとくれない?」だ。

そして金額まで見てたのかとげんなりしながらも、難を乗り切るために方便を使いました。

「使ったお金は3万5000円ですから。」

本当は1万円も使ってないのですが、負けたんだよアピールです。

すると通用しないだろうと思ってついた嘘ですが、意外にも事の方向が変わってきました。

「…。使い過ぎじゃない?

「熱くなっちゃって。」

「そんなに使ったら取り返せないでしょ。」

「そうですね、今度はもうちょい気を付けます。」

兄ちゃんの目的はカツアゲのはずですが、なんだか同情されてる感が出てきました。

ここで畳み掛けるしかない。

私は言いました。

「今、熱があって凄く体調が悪いんですよ。早く帰って薬飲んで寝たいです。」

すると兄ちゃんはどこか心配そうな表情になりました。

「…そっか。運転気を付けて帰んなよ。」

そう言い、道を開けてくれました。

今を逃すと絶対にまた面倒くさいことになる。

そう判断した私はそそくさと自分の車まで小走りで向かい、ドアを開けて車に乗り込みました。

見ると兄ちゃんの姿は消えていました。

また、換金所の近くで獲物を物色しているのかな?

でも「負けた」と言ったり「体調が悪い」と言ったことをおもんぱかるなんて、あの兄ちゃんは根っからの悪人ではなさそうだな。

まあ、善人はカツアゲはしないので、悪人には違いないだろうけど。

でもあんな様子で稼ぎになるのかなあ。

私は大きなお世話とも言える余計な心配をしながら、発熱によりズキズキと痛む頭を押さえて、自宅に向かって車を発進させました。

 

 

【パチスロ思い出話】シリーズの記事は下記の通りです。

 

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「【パチスロ思い出話】その6. シーマスター ~悪人になりきれないカツアゲ君~」への2件のフィードバック

  1. 私もそんな機転の利いたコメント出来れば保険会社や銀行その他に押し切られたり、騙されなかったかなあ、、、

    1. >みーこさん

      とっさに思い付いたかわし方でしたが、相手がガチなカツアゲではなかったので助かりました。

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