交響組曲『ドラクエ11』のコンサートに行ってみた *ネタバレ注意

こんにちは、あんにゅいです。

2019年9月19日、東京池袋の東京芸術劇場[サラダ音楽祭]で、すぎやまこういち先生の指揮する東京都交響楽団によるシンフォニックコンサートが開催されました。

曲目は『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』のゲーム音楽で構成されていました。

私はこれまでドラクエ含むゲームのコンサートに行ったことはありませんでしたが、かねてから「いつか行ってみたい」という思いがあり、この機会に参加してみました。

 

*この記事にはゲーム本編のネタバレ要素があります。

 

 

 

私とドラクエ

今回参加するのはドラクエ11のコンサートです。

しかし私はドラクエ11にさほど深い思入れは無かったりします。

ゲームクリアはしていますが、「一通り遊んだ」という程度であって「やり込んだ」と言えるレベルではありません。

ドラクエシリーズで私が一番プレイ時間が長いのはドラクエ10だと思いますが、これはオンラインゲームなので比較の対象としては少しずるい気がします。

ドラクエ10以外で一番プレイ時間が長いのは間違いなくドラクエ3です。

小学校低学年時代、ファミコン版ドラクエ3を買ってもらった私は、来る日も来る日もドラクエ3に明け暮れていました。

それはもう、「やり込んだ」と胸を張って言えるくらい没頭しました。

なのでドラクエ3への思入れも別格です。

できればドラクエ11ではなくドラクエ3のコンサートに行きたかったところです。

しかしドラクエ音楽のコンサートは数多く開催されてはいるようですが、選り好みしてしまうとコンサートに合わせて日時を調整するのが難しくなるので、今回はそういった都合でドラクエ11のコンサートに行くことにしたのでした。

まあ、妥協と言ってしまえば妥協ということになりますね。

 

会場到着

開演時刻1時間ちょっと前に私は会場に到着しました。

開演までまだ1時間以上あるのに、すでに沢山の人で賑わっています。

熱気があっていいですね。

フォトスポットがあったので、やや持て余していた私は、スタッフから剣をお借りして写メを撮ってもらうことにしました。

バッチリとポーズを決めて、はいパシャリ。

なかなか良く撮れていると思います。

醜態を晒すのは嫌なのでここでその写メ掲載はしませんけども。

そうこうしている内にコンサートホールが開放され、私も周りに倣って入場します。

開演時間直前、客席はほぼ満席になりました。

このコンサートのチケットは先着順ではなく抽選でした。

チケット購入時、ダメ元で応募したのですが、すんなり抽選にパスしたようで「当選のお知らせ」がいとも簡単に届きました。

なので正直なところ、「抽選だけど応募人数が規定数に満たなかったから、応募した人は全員当選ってことになってるんじゃないの?」と思っていました。

しかしこの満員御礼状態を見て、それが大変失礼な邪推であったとわかりました。

一発で抽選に当たったのはラッキーでしたね。

 

開演

すぐ泣く…

コンサートが始まりました。

まずはドラクエファンにはおなじみのオープニング曲が演奏されます。

ここで私はいきなり気持ちがいっぱいになり、ぽろぽろと涙をこぼしてしまいました。

実は私は涙もろく、少しでも胸を打たれると平気で泣いてしまうのです。

歳を取ったものです。

ハンカチは3枚持って来ているので、その意味では安心ですが。

 

「レベル88です」

序曲の演奏が終わると、すぎやま先生がこちらに振り返りました。

「こんばんは! すぎやまこういち、レベル88です」

なんともウィットに富んだ挨拶をされ、会場は沸きました。

88というのはご年齢のことでしょうね。

そっかすぎやま先生、お元気そうではありますが88になられたんですね。

 

あの曲は演奏されないの?

ドラクエ11では過去作の曲も使われていたりします。

過去作の曲でもドラクエ11で使われている以上、もしかしたらこのコンサートでも過去作の曲が演奏されるかもしれない、とひそかに期待していました。

私が期待していた聴きたかった曲は「勇者の挑戦」です。

いわゆる「ゾーマの曲」です。ドラクエ3のラスボスの曲ですね。

「勇者の挑戦」はドラクエシリーズの全ての曲の中で私が最も好きな曲です。

ですのでできれば、聴きたかったのですが…。

プログラムにも「勇者の挑戦」は載っていませんし、そもそもこのコンサートでは過去作の曲はどうやら演奏されないようです。

落胆の色は隠せませんでしたが、変な期待をしてしまった私が悪いので、これは仕方ないですね。

 

「勇者の挑戦」の思い出を語る

飽きもせずドラクエ3をひたすらやっていた小学校低学年のあの頃。

私はゾーマ城にもよく挑戦していました。

雑魚敵とは思えないくらい強大な雑魚敵に追い回されながら、難解な回転皿を頭を抱えつつ攻略し、最後の階段を降りる。

降りた先のフロアでの、いわゆる「伝説の三悪魔」との死闘。

三悪魔を命からがら撃破するものの、その時点で既にこちらはズタボロ、満身創痍です。

ふと気づいたら、それほどゲームをやらない姉が私の側に座り、気持ちのこもった表情でゲーム画面を見つめています。

姉の緊張感が伝わってきます。

「応援してくれているんだな。僕は、ひとりじゃない。」

小学校低学年の勇者の挑戦です。

ゾーマが「しにゆくものこそ うつくしい」などと口上を述べ、最後の戦いが始まります。

しかしこちらは低レベルでMPもあまり残っていません。

その上、当時は攻略情報などろくに出回っておらず、私のパーティは「ひかりのたま」さえ持っていませんでした。

早い話が、私のパーティがゾーマを倒せる道理などどこにも無かったのです。

圧倒的な実力差で、小さな勇者は息絶えました。

でも私と姉は、それで良かったのです。

苦労してゾーマまで辿り着くまでの道のり。

ゾーマ戦で流れる、スピーディで迫力があり、緊迫感や高揚感を覚える、感動的とさえ言える至高のBGM。

もしもゾーマを倒してしまうと、それらを味わうことがもうできなくなると、私と姉は思っていました。

だから、ゾーマから植え付けられた絶望感が大きければ大きいほど、「まだまだドラクエ3を楽しんでいられる」という、安心感が私たちにはありました。

 

アンコールで

コンサートは滞りなく進んでいき、プログラムの演奏は全て終わりました。

そしてアンコールに応え、すぎやま先生が「でっかい曲」を最後に指揮してくださいました。

曲名は「過ぎ去りし時を求めて」、ドラクエ11の真のエンディング曲です。

ゾーマの曲は無くても、これが聴けたので私は十分に満足しました。

ハンカチを3枚用意してきて良かったと思いました。

会場は万雷の拍手に包まれ、これにてコンサートは閉演しました。

 

想像以上に良かった

ゲーム音楽のコンサートに行ったのは初めてだったので、正直どんなもんだろうという不安はありました。

ですがそんな不安はすぐに吹き飛ぶくらいの満足感がありました。

なんで今まで足踏みして行かなかったんだろうと思ってしまうくらいです。

コンサートは、臨場感や周囲の客との一体感が良いですね。

ゾーマの曲が聴けなかったのは残念でしたが、それは改めてドラクエ3のコンサートに行けばいいだけの話でしょう。

機会を作って、こういう体験をまたしてみたいなあ。

コンサートの帰り、池袋のロマンス通りの居酒屋でほろ酔いになりながら、一人静かに想いを馳せました。

 

この記事を気に入っていただけたらソーシャルメディアでシェアしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください