こんにちは、あんにゅいです。
住民税が課税されない人だけで構成された世帯を、住民税非課税世帯といいます。
住民税非課税世帯は収入の水準が低いため、社会保険制度などで優遇措置があります。
この記事ではその優遇措置(メリット)の概要やデメリットをご紹介します。
目次
住民税非課税世帯の主なメリット
【住民税非課税世帯の主なメリット】
・国民健康保険料の減免
・高額医療費制度での優遇
・介護保険負担限度額認定証の交付の可能性
・NHK受信料が免除される場合も
*デメリットもあり
国民健康保険料の減免
住民税非課税世帯は、国民健康保険の保険料が安くなります。
どのくらい安くなるのかは自治体によって違いがありますので、一概には言えません。
東京23区では、所得に応じて2割~7割の減額となります。
ご自分の国民健康保険の保険料の減免額を知りたい場合には、自治体への確認が必要です。
高額医療費制度での優遇
住民税非課税世帯は、高額医療費制度において、ひと月当たりの自己負担上限額が安くなります。
例えば70歳未満で年収が約370万円~約770万円ですと、ひと月当たりの自己負担上限額は80,100円です(超過分は1%負担)。
これが住民税非課税世帯なら、35,400円まで引き下がるのです(超過分は無料)。
この優遇措置のおかげで、住民税非課税世帯は、医療にかかる費用の心配が軽減されます。
介護保険負担限度額認定証の交付の可能性
介護保険負担限度額認定証を交付される要件のひとつに、「住民税非課税世帯であること」というのがあります。
しかし要件は他にもありますので、住民税非課税世帯だというだけでは交付されません。
ご注意ください。
介護保険負担限度額認定証を交付されると、介護保険施設(特別養護老人ホームなど)での費用が安くなります。
具体例を挙げます。
【30日分の基本利用料金 / 要介護3 / 併設型ユニット型個室】
・介護保険負担限度額認定証なし(1割負担)
→217,560円
・介護保険負担限度額認定証あり(所得段階1)
→59,760円
*介護保険施設によって違いがあり、また基本利用料金以外にもお金がかかる可能性があるので、必ずこの通りになるわけではありません。
この制度によって受けられる恩恵は大きいです。
ですからご自分の世帯が要件に該当するのでしたら、申請をしてこの制度を利用したいものですね。
NHK受信料が免除される場合も
住民税非課税世帯は、NHK受信料が免除される場合があります。
NHK受信料免除の要件は「住民税非課税世帯であること」だけではなく、それに加えて他にも存在します。
ですから、住民税非課税世帯なら必ず免除されるわけではありません。
ご自分の世帯が免除の要件に該当するかどうかは確認した方が良いでしょう。
もしもご自分の世帯が免除の対象の世帯になっていましたら、申請すること自体にはデメリットはありませんので、免除の申請をしましょう。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
NHK受信料全額免除の申請方法 障害者のいる住民税非課税世帯等は手続きするべき
住民税非課税世帯のデメリット
住民税非課税世帯のメリットを享受するために、世帯分離をした場合、世帯分離前よりも税金の負担額が大きくなることがあります。
どういうことなのかご説明しますね。
例えば、住民税が課税されているひとつの世帯の中に、住民税非課税のAさんがいます。
Aさんを住民税非課税世帯にするために、元の世帯からAさん1人を分離して別の世帯とします。
Aさんは住民税非課税世帯になったので、これで住民税非課税世帯のメリットを受けられます。
しかし、元の世帯からはAさんは抜けています。
Aさんは住民税非課税だったこともあり、元の世帯では、所得税などの税金の計算で、様々な控除を受けられていた可能性があります。
Aさんが抜けてしまったために、元の世帯の世帯主が、Aさんの分の控除を受けられなくなります。
この控除を受けられたはずの分が、Aさんが住民税非課税世帯になったことによるメリットの分を上回ると、分離したことで却ってマイナスとなる可能性があります。
こうなると、世帯分離をしない方が良かった、ということになってしまいますので、慎重な判断が必要です。
以上、住民税非課税世帯の主なメリットとデメリットをご紹介しました。
自治体によってはこれら以外のメリットがある場合もあります。
詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせくださいね。