こんにちは、あんにゅいです。
Webを徘徊していたら、三菱UFJ国際投信から2018年8月6日にeMAXIS Neo(イーマクシス ネオ)シリーズなる投資信託が登場していたことを知りました。
信託報酬の安さで知られるeMAXIS Slimシリーズより更に信託報酬が安いファンドが出てきたのかと思い色めき立ちましたが、どうやら様子が少し違うようです。そのことについて触れていきます。
eMAXIS Neoシリーズとは
eMAXIS Neoシリーズは、三菱UFJ国際投信から「日本初上陸! AI(人工知能)が自動で銘柄を選ぶ、新時代のインデックスファンド」というコピーで登場した投資信託です(公式HPはこちら)。
eMAXIS Neoシリーズは3つのファンドで構成されています。その3つのファンドとは、『eMAXIS Neo 遺伝子工学』、『eMAXIS Neo ロボット』、『eMAXIS Neo 宇宙開発』です。
この3つのファンドが連動するベンチマークと、信託報酬は下記の通りです。
ファンド名 | ベンチマーク | 信託報酬 |
---|---|---|
eMAXIS Neo 遺伝子工学 | S&P Kensho Genetic Engineering Index | 0.72% |
eMAXIS Neo ロボット | S&P Kensho Robotics Index | 0.72% |
eMAXIS Neo 宇宙開発 | S&P Kensho Space Index | 0.72% |
私がこの情報を見たとき、「聞いたこともないベンチマークだし、なんか信託報酬も高い」と、頭の中は「???」となりました。
eMAXIS Slimシリーズの信託報酬
私が所有している投資信託の中でも特にその占有率が高いのがeMAXIS Slimシリーズです。
eMAXIS Neoシリーズの信託報酬と比較するために、eMAXIS Slimシリーズの信託報酬を掲載します(2018年8月20日現在、公式HPより)。
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.159%
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.159%
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.109%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.160%
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 0.189%
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 0.142%
- eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) 0.142%
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.159%
- eMAXIS Slim 国内債券インデックス 0.139%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 0.170%
全てのファンドで信託報酬は0.2%を下回っており、eMAXIS Neoシリーズと比較してもその信託報酬の安さがうかがえます。
これ、インデックスファンドなの?
三菱UFJ国際投信のHPによると、eMAXIS Neoシリーズはインデックスファンドとして売り出されているようです。
インデックスファンドの定義を「特定の指標と同じ動きをする投資信託」とするならば、eMAXIS Neoシリーズもインデックスファンドということで間違いはないのでしょう。
しかしeMAXIS Neoシリーズはインデックスファンドであると同時に、特定の分野に関連する銘柄にターゲットを絞って運用するいわゆるテーマ型ファンドであるとも考えます。
「遺伝子工学」、「ロボット」、「宇宙開発」という、特定の分野に限定しているのですから、テーマ型ですよね。
テーマ型ファンドは私の中ではアクティブファンドという認識です。
インデックスファンドとアクティブファンドは異なるものですから、これでは矛盾が生じてしまいます。
あえて表現するのなら、eMAXIS Neoシリーズはさしずめ「限りなくアクティブファンドに近いインデックスファンド」といったところでしょうか。
結局
eMAXIS Neoシリーズがテーマ型ファンドである以上、いくらインデックスに連動するからとは言っても、インデックス投資の強みの1つである「分散投資」の効果はかなり薄くなるかと思います。
「遺伝子工学」、「ロボット」、「宇宙開発」という風に投資対象を限定しているので、分野を限定せずに幅広く投資をするインデックスファンドに対しては、分散効果という面ではテーマ型ファンドに勝ち目はないでしょう。
そして、eMAXIS Neoシリーズの「AIが運用するからテーマの恩恵を十分に享受することが期待できる」、「過去のパフォーマンスが優れている」、「将来有望な最先端の分野に投資する」といった売りは、「将来のリターンを保証する」ということには決してつながらないとも考えます。
私は「アクティブファンドは買わない」ということを決めていますので、今回はこれらのファンドは見送ります。
インデックス投資がしたいということだけであるならば、今のところはeMAXIS Slimシリーズだけあれば十分かもなあ、と思ったのでありました。
【2019年1月9日追記】
eMAXIS Neoシリーズに新規3ファンドが追加されました。そのことを記事にしておりますのでよろしければご覧ください。