【パチンコ思い出話】その9. 玉ちゃんファイト ~どぎついおばちゃん店員に完敗~

こんにちは、あんにゅいです。

現代ではハネモノと言えばホールでは異彩を放っている存在と言えます。

しかしそれなりに歴史のあるパチンコの世界では、「パチンコ=ハネモノ」というくらいハネモノが全盛の時代も過去にはあり、また私がパチンコデビューした当時でもハネモノは準主役級の根強い人気がありました。

当時人気だったハネモノ『玉ちゃんファイト』とのエピソードを綴ります。

 

(C) 京楽産業

 

玉ちゃんファイトとは

玉ちゃんファイト(京楽産業)は1996年に登場した現金機のハネモノです。

V入賞時、3通りのラウンド振り分けがありました。

 

  • ラッパ 1ラウンド 振り分け3/7
  • ピストル 2ラウンド 振り分け2/7
  • 玉ちゃん 15ラウンド 振り分け2/7

 

釘調整やクセの良い台であっても、1ラウンドや2ラウンドに偏ると、相当な苦戦を強いられる仕様でした。

また15ラウンドを引いた後は次回V入賞までV入賞率が大幅アップするという連チャン機能が備わっていました。

それゆえに振り分けが15ラウンドに偏ってくれると、ハネモノとは思えないくらいの出玉を獲得できる性能を誇っていました。

 

ハネモノの定量制

ホールの営業形態として「定量制」と呼ばれるものがあります。

これは、差玉がある数に達すると、その時点で持ち玉を全て交換しなくてはならないというルールです。

差玉は3000発または4000発に設定しているホールが多かったです。

大当たり(V入賞)を繰り返し、出玉がひと箱(4000発入る巨大ドル箱)一杯になると、そこで遊戯終了、出玉交換という流れです。

遊戯終了になることを「打ち止め」などといったりしました。

打ち止めになった後、すぐさまその台は開放、現金投資からまた打っていいよというルールもありましたし、打ち止めからある程度時間が経過してから開放する、というルールもありました。

また、1日に2回打ち止めになるとその台はもうその日は打てないというルールもあったようです。

もちろん、定量制ではなく完全無制限で営業しているホールもありました。

これらのルールはホールによってまちまちでした。

傾向としては、無制限営業よりは定量制営業の方が釘が甘めで、また釘調整も本気で行なうホールが多かったように思います。

 

「全部!!!」

学校帰り、私は某ホールに寄りました。

ハネモノは3000発定量制のお店です。

今日は何を打とうかと胸を膨らませて台を選びます。

そして選択した機種は玉ちゃんファイト。

座ったのは、その時刻の割にはかなりの大当たり回数がついている台です。

この大当たり回数なら、何回か打ち止めになっているに違いありません。

「よっしゃ俺もすぐに打ち止めにしてやるぜ」

そう意気込んで500円玉を投入してハンドルを握ります。

すると鳴き2~3回ほどでV入賞を果たし、そしてデジタルに表示されたのは一等賞、玉ちゃんです。

理想的すぎる滑り出しにテンションは上がりました。

そして「3000発で7500円だから…このまま打ち止めまでもっていければ7000円のプラスか、げへへ」と皮算用が始まりました。

しかしこの皮算用が良くなかったのか、この大当たり中の5~6ラウンド目で、玉が貯留されないという悲劇が起きパンクしてしまいました。

結局この大当たりで獲得した出玉は300~400発、下皿も一杯にならない程度です。

「まあこれは仕方ないか。気を取り直して打ち止め目指して頑張ろう」

そう思って遊戯を続行しようとしたのですが、ハンドルを握っているのになぜか玉が飛ばなくなってしまいました。

「あれおかしいな」

店員を呼ぼうか迷っていると、貫禄があり迫力満点のおばちゃん店員が小走りでこちらにやってきました。

そして発した言葉は「はい打ち止めね!」。

私は一瞬何が起きているのか理解できませんでした。

しかし私なりに一所懸命考えを巡らせた結果、おばちゃん店員に聞くまでもなく状況がわかりました。

おそらく私の前に打っていた客が、差玉3000発直前でヤメていったのでしょう。

そしてその後私が座り、先程の大当たりで300~400発の差玉を上乗せした結果、3000発に達してしまい打ち止めになった。

それしか考えられません。

私はおばちゃん店員にこう言いました。

「これっぽっちの出玉で打ち止めって」

無駄だとわかっていましたが、一応抵抗を試みたのです。

予想通りおばちゃん店員はそれをバッサリ切り捨てました。

「打ち止め!」

とてもじゃありませんが私ではこのおばちゃん店員に勝てる気がしません。

争うのはやめて、素直に従おうと思いました。

でもしゃくだったのもあり、せめて一矢報いたいと、私は上皿に出玉を少量残して、ドル箱に落とした玉をジェットカウンターに運ぼうとしました。

しかしおばちゃん店員はそれさえも見逃してはくれませんでした。

「全部!!!」

ひゃいっ、すみません!

無慈悲なおばちゃん店員に完全に敗北した私は、全ての持ち玉を交換し、現金に換金しました。

手にした現金は僅かに800円。

プラス300円です。

あ~あ、プラス7000円のはずが、300円になっちゃったな。

私が弱すぎるのか、おばちゃんが強すぎるのか。

もしくはその両方かな。

妙に納得した気持ちになった私は、勝ち金を持ってマクドナルドでポテトをテイクアウトし、辛い現実から目を背けるように帰路に着きました。

 

 

【パチンコ思い出話】シリーズの記事は下記の通りです。

 

 

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